礼拝説教 2009年10月11日
「 流れのほとりに植えられた木 」
わたしたちは、 時々、 自分の生活を見直し、 点検し、 整える必要があります。 体については、 人間ドックや歯のクリーニングをしている人はいると思いますが、 どれだけの人が、 心や魂について真剣に考えているでしょうか。 わたしたちキリスト者にとって、 生活を整え、 古き罪を赦していただき、 新しい歩みを踏み出すところは、 七日毎に巡ってくる主日礼拝であります。 そこで、
み言葉の光のもとに、 罪の悔い改めと共に、 主の赦しと新しい聖霊によるいのちをいただき、 新しい週日に向かって歩き出すのです。 そういうわたしたちが、 度々、 立ち戻って読み直すのに詩編第一編は、 適切な詩であります。
「いかに幸いなことか」 という呼びかけから、 この詩は、 始まります。 原文は 「幸いアシュレーなるかな」 が冒頭です。
幸いな、 祝福された人とは、 どんな人でしょうか。
それは、 まず神なき者、 罪ある者の歩みに組みしない人です。 これはこの世の人々と付合ってはいけない、 ということではありません。 神のみ前に、 神の人として 「直く歩むアーシャル」 人であることを覚え、 努めることであります。
それは、 神なしとするが如き人々の謀略や会議に組したり悔い改めと潔めに無関心で、 むしろ、 信仰やそういう生き方を否定し、 非難する者と共に座らない、 そういう人であります。 「歩まず・とどまらず・座らず」 は、 信仰に生きる歩み、 そこにとどまり、 主を崇める集まりに座すこととが暗黙のうちに対比されています。 「朱に交われば赤くなる」 と言われるように、
キリスト者の生き方や教会の中に、 神なき論理や倫理が、 いつの間にか入り込むことのないように気を付けなければなりません。
更にもうひとつのことは、 神のみ言葉を愛し、 いつもみ言葉によって生きる人のことです。 「主の教えを愛し、 その教えを昼も夜も口ずさむ人」 と言われます。 ここには、 申命記の 「あなたは心を尽くし、 魂を尽くし、 力を尽くして、 あなたの神、 主を愛しなさい。 (そして) これらの言葉を子供たちに繰り返し教え、 家に座っているときも道を歩くときも......これを語り聞かせなさい」
(六四~九) を思い起こさせます。
み言葉を静思し、 考えることは大切ですが、 それを 「口ずさむイェフゲー」 ことを重視しています。 口ずさむとき、 その教えが心に深く染み込み、 それはやがてわたしたちの行動になって現れてくるのです。
よく 「夢を語れば、 それが実現する」 と言います。 わたしたちも、 「エレベーターが欲しい」 と現在の会堂を建ててから、 いつも言い続けてきました。 わたしの在任中に、 エレベーター建設準備委員会が三回も立ったり倒れたりしました。 だが、 この思いは、 体の悪い方々のために、 開かれた教会となるために、 どうしても諦めることの出来ない夢でした。 ところが夢のようなエレベーター設置が、
隣接地が与えられることにより、 ごく自然に出来ました。 心の深い所にみ言葉があるとき、 そのみ言葉の力は、 わたしたちを生かし、 促し、 行動をも生み出す原動力になるのであります。
詩人は、 このような人を 「流れのほとりに植えられた木」 にたとえます。 この 「流れのほとりアル・パルゲ・マーイム」 は、 乾期になると干上ってしまう 「谷川ワデイ」 ではなく、 人工的に掘られた農業用の 「水路カナール」 のことでありましょう。 このような水路は、 乾期でも枯れることなく、 砂漠に植物を繁らせるのです。 大分前のことですが、 教会のメンバーと聖地旅行に行った時、
ベングリオン農場を訪れました。 囲りは灼熱の赤い土の荒野です。 手にとるとその土は、 パラパラと砂のようにこぼれます。 ところが、 農場の中には、 どこも緑がいっぱいで、 豊かな果実が実っていました。 「水の流れパルゲ・マーイム」 を引き込むことが、 この奇跡を生んでいたのです。
この流れのほとりに、 入念に植え込まれる木があります。 この木こそ、 祝福された神の人、 み言葉を愛し、 礼拝を重んじ、 主の前に歩む人のことです。 「その人は、 ときが巡り来れば実を結び、 葉もしおれることがない。 その人のすることはすべて、 繁栄をもたらす」
囲りは砂漠にわたしたちは囲まれています。 また熱風や逆風が吹くことがあるでしょう。 いつも平和で順風であるとは限りません。 でも、 その中にあって、 幸いなるかなと呼びかけられる人は、 けっして倒されたり枯れることはありません。 やがて、 もみ殻のように燃やされ、 吹き飛ばされることはないのです。 ぶどうの木の枝のように主の命に生かされているのです。
(2009年 9月13日礼拝説教)
月報「あかしびと」第463号 巻頭言